Free Pascalを知ろう

1. Pascal

古くから存在する構造化・オブジェクト指向プログラミング言語で、基礎言語の標準となっています。

Pascal の歴史

  1. 1968–1970 誕生
    スイスのニクラウス・ヴィルト(Niklaus Wirth)がALGOLをもとにPascalを設計。構造化プログラミング教育を目的とし、1970年に初のコンパイラが公開されました。文法が厳格で強い型付けが特徴です。
  2. 70~80年代 普及期
    世界の大学で標準入門言語となりました。BorlandがTurbo Pascalを発表し、低コストなPC向け統合開発環境として急速に広まり、後にオブジェクト指向機能(Object Pascal)が追加されました。
  3. 1995 商用派生:Delphi
    BorlandがDelphiをリリース。Object Pascalを強化し、視覚的GUI開発に対応。Windowsデスクトップ開発の定番ツールとなり、現在はEmbarcaderoの商用製品です。
  4. 90年代 オープンソース派生:Free Pascal(FPC)
    オープンソースのクロスプラットフォームコンパイラ。ObjFpcなど複数の文法モードに対応。無料IDEのLazarusと組み合わせることでDelphi相当の開発環境を実現し、Windows/macOS/Linux/組み込み機器に対応します。
  5. 現在の状況
    教育現場での使用は減少しましたが、Delphiは企業向けWindows開発、FPC+Lazarusは無料クロスプラットフォーム開発・ゲーム・組み込み開発で今も活用されています。

2. Free Pascal(FPC)

オープンソースで無料のPascalコンパイラ。Pascalコードの解釈・コンパイルを実行可能で、ObjFpcをはじめ複数の文法モードを内蔵しています。

3. Lazarus

無料のグラフィカルIDE。内部はFPCを基盤とし、Windows/macOS/Linux向けクロスプラットフォームデスクトップアプリを作成できます。新規プロジェクトは既定でObjFpc文法が使用されます。

4. Delphi

Embarcaderoが開発する有料商用IDE+専用コンパイラ。文法はFPCのDelphiモードと高い互換性を持ち、Windows向け高速開発を強みとしています。

5 Turbo Pascal

1983年Borlandより発表。パソコン上で大ヒットした初の一体型IDE付きPascalツール。動作が高速で価格が安価だったため、DOS環境下でのPascal教育・開発を普及させました。ただし学術用初期コンパイラと比べると登場は大幅に遅いです。

6 世界初のPascalコンパイラ

1970年ニクラウス・ヴィルト自身がチューリッヒ工科大学でETH Pascal(CDC Pascal)を開発。Turbo Pascalより13年早く登場しています。

このことから、プログラミング言語の核心はコンパイラであると言えます。つまり新しい言語を開発するということは、実質的にコンパイラを作成する作業に他なりません。

PascalはC言語よりも歴史の長い言語です。生みの親であるニクラウス・ヴィルト博士は2024年に逝去されました。ここに偉大なPascalの父を偲びます。

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